同胞団の見習い戦士オーズは、ソリチュードで出会ったラビの「物語集め」のために、モーサルを訪れる。沼地の霧と静寂に沈むモーサルでは、しかし、奇妙な事件が立て続けに起きていた。
はじめて訪れたスカイリムの首都ソリチュードで、俺はラビって女の子と出会った。
この世界にこんな可愛い子がいるなんてよ…!
おっさんがアルドゥインを倒す旅で世話になった仲間なんだってさ。
彼女は色んな冒険や伝説なんかを本にまとめるのが夢だそうで、そんな彼女の「物語集め」につきあって、俺たちはモーサルへと向かうことになった。
陰気なおっさんと二人旅なんて、冴えねえなあ、って思ってたけど、ラビが一緒ってなると、もう俄然やる気が出てきたぜ!
モーサルはホワイトラン地方と、ソリチュードがあるハーフィンガル地方との間にあるハイヤルマーチ地方の要塞だ。
スカイリムには9つの地域があって、それぞれの主要都市が要塞って呼ばれてるんだけど、このモーサルはまわりは沼地だらけだし、城壁だってないし、どうみたって要塞って感じじゃないんだけどな。
天気もよかったし、楽しくおしゃべりしながら街道を歩いていると、ソリチュードからモーサルなんてあっという間で、日没前に、俺たちはモーサルに辿り着いたのだった。

ここがモーサルか…静かな…ってか、なーんか、陰気な場所だな…
俺とラビは首長に挨拶にいってくる。おまえは宿をとってこい。
この道をまっすぐいった先だ
この道をまっすぐいった先だ
あいあい、ラビちゃんのためなら喜んで
イドグロッドに会うのは久しぶりね。あの人、好きなのよね、あたし。
変わり者だが、興味深い人物には違いない。
――もめ事のようだぞ。
――もめ事のようだぞ。
・
・
なんだかおかしな事件が続いていて、
みんな、イドグロッドが呼んだウィザードを疑っているってわけね
みんな、イドグロッドが呼んだウィザードを疑っているってわけね
こういった土地の人々は迷信深い。
特に魔術的なものに対しては警戒心を持っている
特に魔術的なものに対しては警戒心を持っている
取り込み中みたいだし、挨拶は明日にしたほうが良さそうね
そうだな。先に宿にいくとするか。
……ん?
……ん?
あれ、オーズ?
どうしたの、そんなところで立ち尽くして
どうしたの、そんなところで立ち尽くして
あ、ラビ、おっさん!
なに? 幽霊でもみたような顔してるわよ
そうなんだ!幽霊!幽霊を見た!
こんな昼間にか。活動的な幽霊だな
ほんとだって!こっちにきてくれ!

ここは…火事があったって場所ね。
小さな女の子と、母親が犠牲になったんですって…
小さな女の子と、母親が犠牲になったんですって…
そうなのか!?
小さな女の子が、ここに立ってて…
俺、まさか幽霊だなんて思わなくてさ、
ちょっと話してたんだけど、なんか変で…
小さな女の子が、ここに立ってて…
俺、まさか幽霊だなんて思わなくてさ、
ちょっと話してたんだけど、なんか変で…
その子はなんて?
こんなところにいたら危ないって声かけたんだけど、大丈夫、って。
寂しそうだったからちょっと冒険の話をしてやったんだけど…
俺がそろそろ宿取りにいかなきゃっていうと、
夜になったらかくれんぼしようって、
すーって透き通って消えちまって…
寂しそうだったからちょっと冒険の話をしてやったんだけど…
俺がそろそろ宿取りにいかなきゃっていうと、
夜になったらかくれんぼしようって、
すーって透き通って消えちまって…
そっか… 可哀想に…
心残りがあって旅立てないのね。
きっとここに住んでいた子ね。
お母さんと一緒に火事に巻き込まれて亡くなったんですって
心残りがあって旅立てないのね。
きっとここに住んでいた子ね。
お母さんと一緒に火事に巻き込まれて亡くなったんですって
好奇心旺盛な、元気そうな子だったけどな…
火事でなあ… なんか辛ぇなあ…
火事でなあ… なんか辛ぇなあ…
不審な火事だったそうよ。
彼女が旅立てない理由が、そこにあるのかも。
夜にもう一度来てみようか。
それまでに、少しこの事件について調べてみましょう
彼女が旅立てない理由が、そこにあるのかも。
夜にもう一度来てみようか。
それまでに、少しこの事件について調べてみましょう
そうだな。
って、おっさん、ずっと黙ってるけど、どうした?
って、おっさん、ずっと黙ってるけど、どうした?
――いや。
俺は宿に行っているぞ
俺は宿に行っているぞ
なぁに?大丈夫?
やっぱりまだ傷が治ってないんじゃないの?
顔色が良くないわよ
やっぱりまだ傷が治ってないんじゃないの?
顔色が良くないわよ
顔色の悪さは生まれつきだ。
探偵ごっこに興味は無い。
モーサルからは出るなよ。
探偵ごっこに興味は無い。
モーサルからは出るなよ。
わかってるって。
よーし、ラビ、ふたりでがんばって、あの子を成仏させてやろうぜ
よーし、ラビ、ふたりでがんばって、あの子を成仏させてやろうぜ
そうね。放っておけないわ。
あたしはイドグロッドに話を聞いてくる。
オーズは町の人に聞き込みをよろしくね!
あたしはイドグロッドに話を聞いてくる。
オーズは町の人に聞き込みをよろしくね!

どう? 成果はあった?
イドグロッドの話では、父親のフロガーが生き残っているけど、彼はすぐに別の女の人と暮らしはじめている。彼が怪しいんじゃないかって、町の人たちは思っているらしいわ。
オーズが会った女の子の名前はヘルギ。
イドグロッドの話では、父親のフロガーが生き残っているけど、彼はすぐに別の女の人と暮らしはじめている。彼が怪しいんじゃないかって、町の人たちは思っているらしいわ。
オーズが会った女の子の名前はヘルギ。
うん。6つか、7つか… 可哀想になあ…
そのフロガーにも製材所で会えたんだが、大人しそうな、ぼんやりした感じの男で、そんな大それたことをするようには見えなかったんだけどなあ…ヘルギをすごくかわいがってたそうだし…
あ、あとさ、このあたりでは行方不明者が相次いでるらしい。
ラレッテって、そこのはずれの家の奥さんも、火事の後ぐらいから行方不明。ストームクロークに加わるって出て行ったらしいけど、戦士でも無い女の人が、幼い子どもと亭主をおいてひとりで出て行くもんか?
そのフロガーにも製材所で会えたんだが、大人しそうな、ぼんやりした感じの男で、そんな大それたことをするようには見えなかったんだけどなあ…ヘルギをすごくかわいがってたそうだし…
あ、あとさ、このあたりでは行方不明者が相次いでるらしい。
ラレッテって、そこのはずれの家の奥さんも、火事の後ぐらいから行方不明。ストームクロークに加わるって出て行ったらしいけど、戦士でも無い女の人が、幼い子どもと亭主をおいてひとりで出て行くもんか?
そうね…
フロガーが火事の後すぐに一緒に住んでいる女性は、アルバっていうんだけど――と、ちょっとまって、あの人だわ
フロガーが火事の後すぐに一緒に住んでいる女性は、アルバっていうんだけど――と、ちょっとまって、あの人だわ
もう日も沈んでるのに、どこにいくんだろ? ちょっと話してみる
・
・

・
・
・
なんだよ、あいつ!
どうだった?
火事の件について、ちょっと粉かけてみたら、
私の為にそんなに尽くしてくれる人がいるとしたら、嬉しいわ!だって
いかれてるぜ
私の為にそんなに尽くしてくれる人がいるとしたら、嬉しいわ!だって
いかれてるぜ
あんたの聞き方が失礼だったんじゃないの?
でも、なんていうか、美人だけど、ちょっと変な雰囲気の人ね…
でも、なんていうか、美人だけど、ちょっと変な雰囲気の人ね…
なぁんか気味が悪いぜ…っと、すっかり夜だな。
あの女の子を探しにいくか
あの女の子を探しにいくか


ここにいたんだけどなあ…
まって…! 声が…

おにいちゃん、きてくれたのね!
おねえちゃんは、だあれ?
おねえちゃんは、だあれ?
またせたな!
こっちのお姉さんは、兄ちゃんの友達だ。
こっちのお姉さんは、兄ちゃんの友達だ。
…ヘルギね? あたしはラビよ。
あなたとお話がしたくてきたの
あなたとお話がしたくてきたの

寂しかったから嬉しい!
でも、お兄ちゃんとかくれんぼしないといけないから、
そのあとでもいい?
あのひとからもかくれないといけないし
でも、お兄ちゃんとかくれんぼしないといけないから、
そのあとでもいい?
あのひとからもかくれないといけないし
もちろんよ。あのひと?

あのひとより先にみつけてね!
そうしたらいっぱいお話できるわ。
ほら、お兄ちゃん、はやく!
そうしたらいっぱいお話できるわ。
ほら、お兄ちゃん、はやく!
消えた… あたりを探してみるか…
――この丘の上に、墓地があるわ。
ヘルギとお母さんも、そこに埋葬されているはずよ
ヘルギとお母さんも、そこに埋葬されているはずよ
この時間に、墓地、か… かなーり不気味だが、いってみるか…
・
・
うう、霧がでてきたぜ…
なーに? 怖いの?
こ、怖くねえよ!
何がでてきても俺が守ってやるから安心しろ!
何がでてきても俺が守ってやるから安心しろ!
はいはい。…まって、あそこに、人が…
ひっ! え、女の人? 幽霊じゃ無いよな…?
こんな時間に、墓参り…?
こんな時間に、墓参り…?

あなたたち…邪魔をしないで!
この子はもうすぐ目を覚ますのよ!
この子はもうすぐ目を覚ますのよ!
え、何? あんた、何を言って… うわっ!
…! オーズ、危ない!!
ぐっ…なんだこの…怪力! くそっ!
だめ!!そいつは…!

ギャアアアアアア!!

お、おっさん!
何をやっている――気になってついてきてみたら
な、なんで殺すんだよ!? 殺すことなんて――
よく見て。この人、吸血鬼よ…

吸血鬼!? こ、この人が?
子どもの棺だわ…今掘り起こされたばかりみたい

ふふ。みつかっちゃった!
ラレッテより先みつけてくれて、ありがとう
ラレッテより先みつけてくれて、ありがとう
ヘルギ! ラレッテって… 街外れの…

ラレッテはね、ママと私を燃やさないといけなかったんだけど、やりたがらなかったんだよ。もっと私と遊んでいたかったんだって。
じゃ、じゃあ、君の家に火をつけたのは、ラレッテ…

ラレッテに首にキスされたら、火に触っても痛くないぐらいに身体が冷たくなったの。ラレッテは私を匿おうとしたんだけどね、できなかった。私、完全に燃えちゃったんだもん
そっか…

ママと一緒だったらラレッテと一緒でもよかったんだけど、ママは別の場所にいるから。ラレッテも、こんなところにいたら、いけないし…
かくれんぼしたら、なんだか疲れたわ。少し眠ってもいい?
かくれんぼしたら、なんだか疲れたわ。少し眠ってもいい?
大丈夫よ。
……ゆっくりおやすみなさい。
……ゆっくりおやすみなさい。
なんだよ、どういうことだよ!?
吸血鬼の能力に、魅了の力がある。
彼らは自分達の都合が良いように、つながりの深い人の心を操ることができる
彼らは自分達の都合が良いように、つながりの深い人の心を操ることができる
きっと、ヘルギの父親のフロガーも操られているんだわ。
昼間働いているってことは、吸血鬼ではないけれど
昼間働いているってことは、吸血鬼ではないけれど
ラレッテは…この人はアルバと仲がよかったっていってた。
フロガーが今、一緒に住んでいる…
フロガーが今、一緒に住んでいる…
山猿。衛兵を呼んで来い。ラビ、衛兵に報告を頼む。
アルバが怪しい。勘づかれる前に踏み込むぞ。
アルバが怪しい。勘づかれる前に踏み込むぞ。
了解… くそ! 帰りを待ってる小さい息子がいるんだぞ、この人には…
きっとそれで、吸血鬼と化していても、ヘルギを殺すことができなかったのね…
・
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…やっぱりか…
見ろ、日記だ。


モヴァルス…どこかで…
ひとまずイドグロッドのところでラビと合流しよう…
ひとまずイドグロッドのところでラビと合流しよう…
なんか人が集まってるぞ…? やばい雰囲気
あっ! シグルド、オーズ!はやく!
このひとたち、吸血鬼を狩りにいくって
このひとたち、吸血鬼を狩りにいくって
素人が狩れるような相手じゃない。
ラビ、モヴァルスという名の吸血鬼に覚えは?
ラビ、モヴァルスという名の吸血鬼に覚えは?
モヴァルス? モヴァルス・ピクイン!?
いろんな書物に登場する伝説の吸血鬼よ!
元は戦士ギルドの吸血鬼ハンターだったんだけど、自分が吸血鬼になってしまったの。
そんな大物がスカイリムに!?
いろんな書物に登場する伝説の吸血鬼よ!
元は戦士ギルドの吸血鬼ハンターだったんだけど、自分が吸血鬼になってしまったの。
そんな大物がスカイリムに!?
モーサルを足がかりにしようと企んでいるようだ。
それならばこの強力な魅了にも頷ける。
…各地で吸血鬼の活動が活発になってきているが
――どうもきな臭いな
それならばこの強力な魅了にも頷ける。
…各地で吸血鬼の活動が活発になってきているが
――どうもきな臭いな
ひとまず、この暴徒を追わないと!
こいつらじゃ、吸血鬼の仲間入りが関の山だぜ
こいつらじゃ、吸血鬼の仲間入りが関の山だぜ
拠点の洞窟の目星はついているみたい! 急いで!
・
・
・

なんてこった… ラビ、こっちにくるなよ!
多分これ、行方不明になったっていう…
う…ぐ…
多分これ、行方不明になったっていう…
う…ぐ…

大丈夫?
くっそ、晩飯と再会しちまった。
今殺したこいつだって、多分、行方不明の…
治す方法だってあったんじゃ…
なんであっさり殺しちまうんだよ!
今殺したこいつだって、多分、行方不明の…
治す方法だってあったんじゃ…
なんであっさり殺しちまうんだよ!
ヒーローごっこがしたいならひとりでやれ。
俺たちの仕事は吸血鬼退治だ。
確実にとどめをさせ。
俺たちの仕事は吸血鬼退治だ。
確実にとどめをさせ。
そんな簡単に割り切れるかよ!
ボスのお出ましだぞ。
戦えないなら下がっているんだな。
ラビ、援護頼むぞ
戦えないなら下がっているんだな。
ラビ、援護頼むぞ
もーー!!
こんなところで喧嘩するんじゃなーい!!
こんなところで喧嘩するんじゃなーい!!

ふう、なんとか倒せたわね! オーズもがんばったじゃない!
……
まったくもう! あんたバカ?
どうやって吸血鬼を無力化させて治療法を探すの?
怒りと恐怖に暴走している人たちをどうするの?
勘づいた吸血鬼たちに反撃や逃亡の機会を与えるの?
シグルドだって殺したくないに決まってるわよ!
でも、やってみてだめでした、えへへ、じゃすまないのよ、戦いって
どうやって吸血鬼を無力化させて治療法を探すの?
怒りと恐怖に暴走している人たちをどうするの?
勘づいた吸血鬼たちに反撃や逃亡の機会を与えるの?
シグルドだって殺したくないに決まってるわよ!
でも、やってみてだめでした、えへへ、じゃすまないのよ、戦いって
ラビ…

シグルドもシグルドよ!
なんでちゃんと口に出して言わないの?
言ってもわかんないことも多いのに、言わずにわかるわけないじゃない。
仲間を傷つけて平気なの?
なんでちゃんと口に出して言わないの?
言ってもわかんないことも多いのに、言わずにわかるわけないじゃない。
仲間を傷つけて平気なの?
…敵は強大だ。ひとりも逃すわけにはいかない。
――ヘルギの仇をとり、そして新たな犠牲が出るのを防いだと、考えるべきだ。
帰るぞ。
――ヘルギの仇をとり、そして新たな犠牲が出るのを防いだと、考えるべきだ。
帰るぞ。
…そう…だな…
あっ
あっ
ヘルギ!



おにいちゃん、おねえちゃん!
やっと、おかあさんがむかえにきたの
やっと、おかあさんがむかえにきたの
そっか…じゃあ、もう、寂しくないな…

うん! もう寝る時間みたい。
お母さん、とても喜んでる。
お母さんに、よくしてくれて、ありがとう。
おやすみなさい!
お母さん、とても喜んでる。
お母さんに、よくしてくれて、ありがとう。
おやすみなさい!
おやすみ…ヘルギ…
・
・

ふう…長い夜だったわね
すっかり朝だなあ…

吸血鬼の動きが、どうも気になるが。
イドグロッドが新たにウィザードを招聘したのも、それに関係しているのかもしれないな。
――ともかく、ふたりとも、良く戦ったな。帰って休もう。
イドグロッドが新たにウィザードを招聘したのも、それに関係しているのかもしれないな。
――ともかく、ふたりとも、良く戦ったな。帰って休もう。
帰ったら、お墓にお花を供えましょう。たくさん。
そうだな。そうしよう――



