君たちのお陰で、すっかりヘルゲンも活気付いたな。

大分以前の姿を取り戻しましたね。
――そちらの状況は？

俺が追っているハイエルフの情報が集まりつつある。
やつはスカイリムの刑務所運営の監督官だが、
恐らくは捕らえたタロス信者たちを奴隷として売っている

コルストが捕らえられていたあの砦にもその兆候はあった

奴は巧みに自分の痕跡を消し、尻尾を掴むことはできなかった。
しかし、奴の護衛のひとりがトールマスト亭という売春宿に
出入りしていることが分かった

――なるほど。私とオーズで行ってみましょう。
同胞団が出入りしていても、そう不自然ではない。

おっせえよ！　情報は？

まだだ

俺を外でさんざん待たせておいて、結局おっさんが良い思いしただけじゃねえか！

山猿にはまだはやい

はやくねえし！！

尻尾を掴んだと思ったが…逆に罠にかかったか…
くそ…　サルモールめ…

ひとまず復讐は後回しだ。救出を第一に考えましょう

そうだな。
失われたものはもう帰ってはこない。決して。
それよりも、今はもっと大切なことがある。
――君も家族を殺されたのだったな。
仇を討ちたい、と考えたことは？

仇、か…。
貴方と違い、私はその場にいた。
恨むならまずは自分の無力と無思慮こそを恨むべきだ。
賊はその場ですべて斬り殺しました。
…命じた者まで恨んでいてはキリが無い。
逆の立場なら、私とて、同じことを命じただろう。
同胞の為に、それが必要なことであるならば。

君は賢明だ。
だが、自分に言い聞かせているようにも聞こえるな

どうでしょう。私は冷酷な人間です。
貴方のケースでは、明らかに、敵は必要以上の罪を犯した。
貴方の復讐は、言うなれば、正当なものだ。
私は、自分が逃れる為に、屋敷に火を放った。
あの火勢では満足な埋葬もできなかったでしょう。
さて、どちらがどう断罪されるべきなのか。

……手厚い葬儀だったとマーカスから聞いている。
尤も、そこには君も含まれているが。
君の判断は正しかった。そうして生き延びた君は、
たくさんの人を救い、そして今また、我々を救おうとしている

……そう願いたいものです。
失われたものは決して戻らないにせよ、まだ手が届くものもある。
救出のためには、奇襲しかない。
奴らの策を破るのは、結局は蛮行だ。
彼我の戦力差を考えれば、いささか無謀ではありますが。

望むところだ。死ぬには良い日だ

死ねば上手く片付くという問題でもない。
手詰まりだと思っても、何か道はあるはずだ

楽観的だな。ルドヴィクス

嫌でもそうなります。
――スカイリムめ。

すげえな！すっかり復興したじゃねえか！
３ヶ月前のあの廃墟が嘘みたいだぜ

自由な雰囲気だし、悪くないね。
あの塔を好きに使っていいって？

ガハハ！
魔物狩りの良い拠点が出来たではないか！

こんなおっかないハンターが出入りしてたら、安心だぜ！
生き残った人達に少しは笑顔が戻ったらいいな…

まだ問題は多く残っているが…
まあ、彼らなら上手くやるだろう。

いやー、達成感、達成感！
飯が美味いぜ！
おっさんもよく眠れてるみたいじゃねえか。

そうか？

前はすっげーうなされてたけどさ。
最近は獲物待ちのドラウグルみたいに
ぴくりともせず寝てるぞ

そのたとえはやめろ。
そういえば――
もう、炎の夢は見ないな