同胞団の見習いとなった若き戦士オーズ。
試験の一環として、シグルドの護衛を命じられたオーズは、スカイリムの首都ソリチュードを訪れる。
”最強の戦士”になりたい、なんて馬鹿げた夢だってもちろんわかってる。
でも、夢なんてそれぐらいの方が、何をするにしてもやりやすいってもんだろ?
「そもそも最強の定義が曖昧だが、そこはいいのか」なんて言ってきたこのおっさんに、「じゃあ、あんたの夢はなんだよ」って聞いてみたら、肩をすくめて、「ソリチュードについたら起こせ」、って狸寝入りをはじめやがった。
俺は今、同胞団の導き手、シグルドの護衛として、スカイリムの首都ソリチュードへと向かう馬車に乗っている。アルドゥイン討伐の件で、首長のエリシフから褒美があるとかなんとか。
おっさん(俺のことを山猿と呼ぶので俺もこう呼ぶことにした)は如何にも面倒くさそうだったが、ソリチュードには会いたい奴がいるから、仕方が無いといっていた。
伝説のドラゴンボーンと旅できるなんて最高だ!って、昨日の俺なら思ってたんだけどなあ。
でも、このおっさんときたら、無愛想だし口を開けばイヤミだし偉そうだし、なんか全然想像してたドラゴンボーンと違う。
腕がたつのは確かで、昨日の試験がもし試験じゃなかったら俺は5回は死んでるし、おっさんは無傷だ。そんなおっさんに護衛なんているのかなあって思うけど、これも試験の一環なんだってさ。
ま、どんな試験だろうと、気合いと根性で切り抜けてやるぜ。
そろそろソリチュードが見えてくる。ソリチュードははじめてだから、楽しみだ。


うおお、おっさん!起きろ! ソリチュードだ! すげー!

大騒ぎするな。起きている。
戦士なら街の構造をよく見ておけ。
この都が難攻不落と呼ばれるのは立地だけの話ではない。
戦士なら街の構造をよく見ておけ。
この都が難攻不落と呼ばれるのは立地だけの話ではない。

え、なに? 荒事? 戦いがあるのか?

あってたまるか。習慣の話だ。



エリシフってすごく美人なんだろ? そっちが楽しみだぜ。

お前はブルーパレス前で留守番だ。

そりゃないぜ! っと…

シグルド! もう傷はいいの!?


ああ。問題ない。世話になったな。

なんかシグルドが素直だと気持ち悪いわね。
ほんとに大丈夫?
ほんとに大丈夫?

おい。

あはは!冗談冗談! ほんと久しぶりね!


あの…シグルドさん… こちらのお嬢さんを紹介していただいても?

………。 ラビだ。


ラビさん……

さん、とかつけないでよね! ラビでいいわ。
シグルドの仲間?
シグルドの仲間?

同胞団の見習いの山猿だ。

山猿?

山猿です

ぼんやりしてないでいくぞ。
先に首長の用をすませてくる。
先に首長の用をすませてくる。

お礼が言いたいんですって。

言う相手を間違えている。
俺だけの力で倒したわけじゃない。
俺だけの力で倒したわけじゃない。


もう! いい加減に役割を受け入れなさいよね。
話が終わったら大学前に来てね。
あたしからも頼みがあるの。
話が終わったら大学前に来てね。
あたしからも頼みがあるの。

……受け入れてはいるさ。
わかった。また後で。
わかった。また後で。

ラビ……
イテッ!! 蹴るなよ!
イテッ!! 蹴るなよ!

行くぞ、といった。山猿
・
・
・


遅い!おいていくわよ!

何だ。その格好は。

頼みがあるって言ったでしょ!
あたしをモーサルまでひとりで旅させる気?
あたしをモーサルまでひとりで旅させる気?

モーサル? あんな場所に何の用だ

首長のイドグロッドに話を聞かせてもらう約束をしていたの。イドグロッドは色んな伝説を知っているのよ。この世界のことも、そうでない世界のことも。書き留めておかないと。

喜んで護衛するぜ!な、おっさん! どうせもう帰るだけだろ!

……帰るだけでもないが、まあ、好都合か。

いこう!目指すはモーサルだ!

おい、そっちじゃない。

あはは! しゅっぱーつ!