ドリフトシェイドへと向かう道
コドラク死亡後
登場人物
ヴィルカス / シグルド
おい、ヴィルカス。ヴィルカス、ちょっと待て
何だ。
少し休もう。もう日も暮れる
シルバーハンドの奴らを皆殺しにするまで、休んでいる暇などない
おまえは若いから良いかもしれんが。
少しは俺を労ろうという気はないのか。
魔女の首を取って帰って来たばかりで休む間もなかった。
足が棒のようだ。いざ剣を交える前に息絶えるかもしれない。
可哀想だと思わないのか。目眩がしてきた。
少しは俺を労ろうという気はないのか。
魔女の首を取って帰って来たばかりで休む間もなかった。
足が棒のようだ。いざ剣を交える前に息絶えるかもしれない。
可哀想だと思わないのか。目眩がしてきた。
うるさい奴だ! わかった。少しだけだぞ
恩に着る。火をおこすぞ。手伝え
……
………
やっと人心地ついた。リンゴはどうだ
っ 投げるな。
……コドラクの任務とは、なんだったんだ?
魔女だと…?
……コドラクの任務とは、なんだったんだ?
魔女だと…?
……前に言ってただろう。
コドラクは、"治療する" 方法を探していると。
コドラクは、"治療する" 方法を探していると。
彼は見つけたのか
恐らくは。
そしてそのために、かつて同胞団を騙してこの「呪い」をかけた魔女の首が必要だ、と
そしてそのために、かつて同胞団を騙してこの「呪い」をかけた魔女の首が必要だ、と
だが、彼は…彼は死んでしまった。
何故、彼はあんたに頼んだ
何故、彼はあんたに頼んだ
さて。俺なら万が一やられてもそう困らないから、か?
コドラクはそんな人間じゃない!
知っている。怒るな。
――サークルに亀裂を入れないため、だろう
――サークルに亀裂を入れないため、だろう
……
アエラとスコールは、その血を祝福だと考えている。
この血は今やサークルの血として、不可分なまでに、その組織の中に組み込まれている。
アエラとスコールはコドラクの疑念に動揺していた。
その秘密を知った新参者の俺に、その血を分け与えるほどにな。他のメンバーに相談もなく
この血は今やサークルの血として、不可分なまでに、その組織の中に組み込まれている。
アエラとスコールはコドラクの疑念に動揺していた。
その秘密を知った新参者の俺に、その血を分け与えるほどにな。他のメンバーに相談もなく
そういえば、アエラに、あんたは自分のものだから手を出すな、と言われたよ。
情熱的なことだ、と思ったが
情熱的なことだ、と思ったが
彼女も焦っていたのさ。
何よりもその血に誇りをもっているのはアエラだ。
裏切られたように感じていたのかもしれない。
そんなときに、ヴィルカス、おまえがコドラクの命をうけて動いたら彼女はどう思う?
まだ人狼になって日も浅ければ思い入れもない俺が動くのとは訳が違う。
何よりもその血に誇りをもっているのはアエラだ。
裏切られたように感じていたのかもしれない。
そんなときに、ヴィルカス、おまえがコドラクの命をうけて動いたら彼女はどう思う?
まだ人狼になって日も浅ければ思い入れもない俺が動くのとは訳が違う。
…コドラクは、あんたを高く買っていた。
思えば、あんたが同胞団に入った時も、コドラクはまるではじめから決めていたようだった…
思えば、あんたが同胞団に入った時も、コドラクはまるではじめから決めていたようだった…
彼が何故そう判断したのかは、俺にもわからんが。
――ともかく、呪いを解く方法がわかった、といっても、前例があるわけじゃない。
下手をしたら空振りで、徒に亀裂を深めただけ、ということにもなりかねない。
そこで、おあつらえむきに事情がわかる俺がいた、と。
俺は嘘をつくのも上手いしな。
――ともかく、呪いを解く方法がわかった、といっても、前例があるわけじゃない。
下手をしたら空振りで、徒に亀裂を深めただけ、ということにもなりかねない。
そこで、おあつらえむきに事情がわかる俺がいた、と。
俺は嘘をつくのも上手いしな。
茶化すな。
……だが、あんたが…あんたが残っていたら…
コドラクは死ななかったんじゃないか。
――俺は…コドラクを守れなかった
……だが、あんたが…あんたが残っていたら…
コドラクは死ななかったんじゃないか。
――俺は…コドラクを守れなかった
買いかぶるな。そしてうぬぼれるな、ヴィルカス。
コドラクは強い。俺たちの誰よりも。
彼が彼自身を守れなかったのなら、それは彼の運命だ。
いつかは、どんな形であれ、望もうが望むまいが、
それは訪れる。
誰にもとめることはできない。
コドラクが、そして、おまえたちが守れなかったものを、
俺が守れるものか。
守れるぐらいならこんなところにいはしない。
俺の剣は守るための剣じゃない。
コドラクは強い。俺たちの誰よりも。
彼が彼自身を守れなかったのなら、それは彼の運命だ。
いつかは、どんな形であれ、望もうが望むまいが、
それは訪れる。
誰にもとめることはできない。
コドラクが、そして、おまえたちが守れなかったものを、
俺が守れるものか。
守れるぐらいならこんなところにいはしない。
俺の剣は守るための剣じゃない。
――なあ…あんた…
俺は攻勢には強いが、守勢には弱いんだ。
攻撃こそ最大の防御だ。
――さて。良い具合に日も沈んだ。
夜襲にはおあつらえ向けだな?
こうやって攻め込む方が得意だ。俺が切り込むから援護しろよ。
攻撃こそ最大の防御だ。
――さて。良い具合に日も沈んだ。
夜襲にはおあつらえ向けだな?
こうやって攻め込む方が得意だ。俺が切り込むから援護しろよ。
――疲れているようには見えないな。
ふん。何のことかな。よし、行くぞ。夜半過ぎにはつくだろう
すまんな。
だから何のことだ。
――コドラクは死んだ。だが、まだ何も終わってはいない。
同胞団には、彼のために為すべきことがある。
ジョルバスクルは家で、コドラクは家族なんだろ。
――コドラクは死んだ。だが、まだ何も終わってはいない。
同胞団には、彼のために為すべきことがある。
ジョルバスクルは家で、コドラクは家族なんだろ。
そうだな。
行こう。やつらを皆殺しにして、ウースラドの欠片を取り返す
行こう。やつらを皆殺しにして、ウースラドの欠片を取り返す