七千階段

パーサーナックスと会話後

登場人物:
レイ / シグルド 
2016-01-10_00009

レイ
 レイ
ドラゴンレンドに『星霜の書』か……
どうも一筋縄には行きそうにないな。

シグルド
 シグルド
…ドラゴンレンドも星霜の書も、
俺には御しかねるものかもしれない。

レイ
 レイ
未知の力を手にする前から、それを制御できると断言できるものは、
余程の馬鹿か何も考えてないかのどちらかだと思うが。

シグルド
 シグルド
いや…
感覚的な話は不得手だ。
故に、どうにも漠然とした話になるが…
ドラゴンの魂を喰う度に、違和感が強くなってくる。

レイ
 レイ
…漠然とでかまわないから、
もう少し聞かせてもらってもいいか?

シグルド
 シグルド
何か大事なことを忘れているような感覚が抜けない。
……アルドゥインの帰還とドラゴンボーンの出現、
本当にこれは天秤の左右に正しく置かれているのか。

レイ
 レイ
……

シグルド
 シグルド
終焉を早めようとするものが、それを遅らせることになるかもしれない。
そして、その逆もまた然り、と、パーサーナックスは言った。

レイ
 レイ
パーサーナックス…
グレイビアードの主か

シグルド
 シグルド
ああ。
そしてそのグレイビアード達が言う通り、
そもそも世界の終わりが決まっていることだとしたら?
俺はその終わりを加速させる存在になろうとしているのではないのか?

レイ
 レイ
だがあんたにはドラゴンを滅ぼす力がある。
何故加速させる、と思う?

シグルド
 シグルド
…感覚的な話だ。まったくもって論理的ではない。
だが、ドラゴンの魂を喰う度に夢が深く重くなる。
そして、いつしかそれは、俺の夢ではなくなりつつある。
あれは誰の夢だ。
夢の中で呼ばれているのは俺ではない。

レイ
 レイ
誰に呼ばれている?

シグルド
 シグルド
深い場所でうごめく何か。
とても暗く、深い場所だ。
あるいは…
俺が幼いころに死んだ俺の母親だ。
彼女は有り体にいって頭がおかしかった。
意味のわかることは殆ど言わなかったが、彼女は誰かを呼んでいた。

レイ
 レイ
誰を?

シグルド
 シグルド
ドヴァキン……ドラゴンボーンを。
だが、呼ばれているのは、俺ではない。
……ふん。
俺もいよいよ言動が狂人じみてきたな。
コドラクが夢の話を誰にもできなかった理由がわかる。
ある種の確信をもって迫ってくる癖に、それは飽くまでも夢だ。
切れ切れで支離滅裂の。所詮は夢。

レイ
 レイ
だが、夢はひとつの説明装置として機能する。
特に神々と悪魔たちが絡んでくれば。
あんたの危惧もわかるさ。
しかし、それはそれとして、その夢も、あるいは世界の運命を背負わされているという重圧から来るものではないのか。
ドラゴンの魂を生身の肉体に取り込むのはかなりの負担になっている筈だ。

シグルド
 シグルド
そうであれば良いんだが。
俺にも人並みの責任感と感受性があったということだ。
…おかしな話をして悪いな。

レイ
 レイ
いや。俺が聞いたことだ。
しかし、世界の終わりが決まっていたとして、なにもせずにそれを待つ訳にもいかない。そう思っているから、こうやって七千階段を昇ったり降りたりしてるんだろう?

シグルド
 シグルド
そうだな。
考えても仕方が無いとわかっている。
目の前にぶら下げられたニンジンを追う以外に道があるか?
結局考える術もないまま、流されてここまで来たんだ。
最後まで流されるとしよう。

レイ
 レイ
流されるにしても、ひとりではないさ。
あんたには仲間がいる。

シグルド
 シグルド
……

レイ
 レイ
そんなおかしな顔をすることはないだろう。

シグルド
 シグルド
おかしな顔とはなんだ。
礼を言おうとしたんだ。
ラビのような言いぐさはやめろ。

レイ
 レイ
ハハ。すまんすまん。
皿にリンゴを置かれた犬みたいだったぞ。
次はどうする?

シグルド
 シグルド
星霜の書を探さねばならない、となると、
ひとまずはウインドヘルム経由でウィンターホールドだな。

レイ
 レイ
大学か。
俺はエズバーンから何か聞き出せないか探ってみるとするか。
彼は変人だが知識は深い。

シグルド
 シグルド
そうだな。頼むぞ。